薬の名前の由来その14

ベストロン

セフェム系抗生物質製剤:千寿製薬、主成分 セフメノキシム塩酸塩

英語のbest(最適のもの)とstrong(作用が強い)を組み合わせて、全体の語調を整えて「ベストロン」と命名した。最強の組み合わせ。戦隊ものの敵の名前みたいです。

フロベン

鎮痛・抗炎症剤:科研製薬、主成分 フルルビプロフェン

一般名フルルビプロフェンより命名。短くしすぎでは?呼びやすいけど。

ノイキノン

代謝性強心剤:エーザイ、主成分 ユビデカレノン

新しい(Neu ノイ)キノン製剤の意味。話題になったコエンザイムQ10の医薬品としての商品名です。ノイは、ドイツ語読み。キノンというのは、化学構造式に含まれるキノン構造のこと。

プロスコープ

非イオン性尿路・血管造影剤:アルフレッサ ファーマ、主成分 イオプロミド

1.pro プロフェッショナルのプロからとった。2.scope のぞく、のぞき見るという意味がある。画像診断を想起する言葉。プロフェッショナル、、いい響きです。画像診断は、職人技のせかいなんでしょうか。

コレミナール

消化管機能安定剤:田辺三菱製薬、主成分 フルタゾラム

胃腸症状を調整する(correct)するminor tranquilizerであることから命名した。不安、抑うつが原因である消化器症状を抑える薬です。抗不安薬のことをマイナートランキライザーと呼ぶのに対し、抗精神病薬をメジャートランキライザーと呼びます。

イノバン

急性循環不全改善剤:協和発酵キリン、主成分 ドパミン塩酸塩

本剤(塩酸ドパミン)の有する心筋の収縮力を高めるinotropic action(変力作用)に由来する。弱った心臓をバンバン刺激して、機能を強める薬です。

ヒスロン

経口黄体ホルモン製剤:協和発酵キリン、主成分 メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

ギリシア語のhystera「子宮」と、一般名のMedroxyprogesteroneに由来する。ヒスロンのヒスは、「ヒステリー」のヒスと同じく「子宮」に由来します。

アレロック

アレルギー性疾患治療剤:協和発酵キリン、主成分 オロパタジン塩酸塩

アレルギー(Allergy)症状のブロック(Block)に由来する。直球勝負です。潔い。

参考記事:アレロック(塩酸オロパタジン)とはどんな薬?

デパス

精神安定剤:田辺三菱製薬、主成分 エチゾラム

(病的状態から)離れ= De通り過ぎる= Pas。なんか、おしゃれな感じですね。デ・パス。

参考記事:デパス(エチゾラム)とはどんな薬?

リスモダン

不整脈治療剤:サノフィ、主成分 ジソピラミド

心臓の律動(リズム:rhythm)を調節する(モデュレート:modulate)という意味から、rythmodan と命名された。薬の作用を知ってたら、リズムに由来している名前だとすぐ分かりますね。