薬の名前の由来その15

ファンガード

キャンディン系抗真菌剤:アステラス製薬、主成分ミカファンギンナトリウム

FUNgus(真菌)からGUARD(防御)する意。真菌とは、水虫やたむしの原因となる微生物のことです。

ビクロックス

抗ウイルス化学療法剤:MeijiSeikaファルマ、主成分アシクロビル

VICTORYのVICとCLOX(同じ発音であるCLOCKSからとった)の造語であり,あらゆる時間に対しての勝利を意味している。なかなか壮大な名前ですが、実はアシクロビルの作用時間は短かったりします。

参考記事:バルトレックス(塩酸バラシクロビル)とゾビラックス(アシクロビル)とはどんな薬?

ハイスタミン

抗ヒスタミン剤:エーザイ、主成分ジフェニルピラリン塩酸塩

アレルギー反応の主要な起因物質であるヒスタミンに強く拮抗する薬剤という意味からハイスタミンと命名した。ヒスタミン=histamine Hiをハイとよむのでしょう。

ビフィダー

整腸剤:販売中止、主成分ビフィズス菌

Bifidobacteriumによる。Bifidobacterium=ビフィズス菌、です。「おなかの味方、ビフィダー登場」みたいな感じ。

ウテメリン

切迫流・早産治療剤:キッセイ薬品工業、主成分リトドリン塩酸塩

胃英語のuterus(子宮)とmerit(有益な作用)を合わせたもので切迫流・早産による子宮収縮を抑制することを意味している。赤ちゃんを守る大切なお薬です。

ミニトロテープ

経皮吸収型・心疾患治療剤:杏林製薬、主成分ニトログリセリン

小型(ミニ)のニトログリセリンを含有するテープ剤。ミニトロ=ミニ+トロに見えてたまりません。

参考記事:ニトログリセリンとはどんな薬?

ゼペリン

アレルギー性結膜炎治療剤:わかもと製薬、主成分アシタザノラスト水和物

開発当初の有効成分名「ゼペノラスト 水和物」から命名。注)承認された有効成分名は「アシタザノラスト水和物」である。昔の名前で出ていますby小林旭、というわけで、これは言われないとわかりませんね。

メレックス

抗不安剤:第一三共、主成分メキサゾラム

一般名Mexazolamの m、e、x、l を組み合わせ、語呂の良いMELEX と命名された。いろいろ語呂合わせ考えてたんでしょうね。パズルみたいに。

ミネラリン

高カロリー輸液用微量元素製剤:武田薬品工業、主成分塩化マンガン・硫酸亜鉛水和物配合剤

本剤に含まれる亜鉛、鉄、銅、マンガン及びヨウ素はいずれも無機質(ミネラル)であり、かつ微量成分であるため微量元素といわれている。本剤は、ミネラルが入っているという意味で、Mineral+in=ミネラリンMINERALIN とした。非常に丁寧な説明ですが、安直です(笑)。

アダント

関節機能改善剤:Meiji Seika ファルマ、主成分精製ヒアルロン酸ナトリウム

Andante”ゆるやかに”に由来し、ヒアルロン酸がゆっくり効果を表してくることを意味している。アンダンテ、音楽の教科書に出てきましたね。“歩く速さで”