薬の名前の由来その8

強力モリアミンS

必須アミノ酸純結晶注射液(輸液):陽進堂、主成分 アミノ酸など

開発会社である森下製薬(MORISHITA)のアミノ酸輸液AMINO ACID による。「強力」という言葉に、頼もしさと昭和な匂いを感じます。SはSuperのSか?

モービック

非ステロイド性消炎・鎮痛剤:日本ベーリンガーインゲルハイム、主成分 メロキシカム

リウマチ・変形性関節症の患者が,罹病前のように,運動器が円滑に動きやすく(mobile)ことから考えて命名している。携帯電話などでおなじみの「モバイル」をちょっと変えたものです。リウマチでは、関節が動きにくくなります。

参考記事:モービック(メロキシカム)とはどんな薬?

アフェマ

閉経後乳癌治療剤:ノバルティス(発売中止)、主成分 塩酸ファドロゾール

Aromatase(アロマターゼ)、Female(女性)、Mammary tumor(乳癌)から、女性乳癌に対するアロマターゼ阻害剤として名付けられた。アロマターゼとは女性ホルモンを作るのに必要な酵素。乳がんには女性ホルモンにより増殖するものがあるので、アロマターゼを阻害するアフェマは乳がんの成長を抑制します。

アルツ

関節機能改善剤:科研製薬、主成分 ヒアルロン酸ナトリウム

Arthrosis(関節症)より命名した。最初見た時、アルツハイマーの薬だと思いました。普通、これで関節の病気の薬とは予想できません。

プロヘパール

肝保護薬:科研製薬(販売中止)、主成分 肝水解物

肝臓の(hepatic)保護(protection)に由来する。英単語を並べるという非常にわかりやすい名前の付け方です。

ウレパール

角化症治療薬:大塚製薬工場、主成分 尿素

Urea(尿素)とPearl (真珠)に由来する。尿素により、肌を真珠のようにするというお薬。真珠というのは言われてみれば語呂の面でも意味の面でもぴったりです。

参考記事:ウレパール(尿素)とはどんな薬?

ラジカット

フリーラジカルスカベンジャー:田辺三菱製薬、主成分 エダラボン

フリーラジカルをカット(消去)するに由来する。フリーラジカルとは、脳梗塞などで酸素不足となったときに、細胞内にできる高い障害性を持つ分子で、神経細胞に障害を起こします。

参考記事:ラジカット(エダラボン)とはどんな薬?

バルトレックス

抗ウイルス化学療法剤:グラクソ・スミスクライン、主成分 塩酸バラシクロビル

化学構造を表すバリン(Valine)の'Val' にちなむ。アシクロビルという薬の消化管からの吸収を高めるため、バリンという構造をくっつけたことが由来になっています。生体内でバリンの部分は分解されアシクロビルに変わります。このような薬をプロドラックと言います。

参考記事:バルトレックスとゾビラックスとはどんな薬?

ジゴシン

ジギタリス配糖体製剤(強心剤):太陽ファルマ、主成分 ジゴキシン

ジゴキシン(一般名)より引用。キをとっただけです。薬学部出身ならすぐわかりますね。

サークレチンS

循環障害治療剤:あすか製薬、主成分 カリジノゲナーゼ

本剤は循環障害治療剤でCirculation(循環)より、Circuletin とした。Sの名前の由来についてはわかりません。